国産ビーズと輸入ビーズに思うこと
ビーズ刺繍と謳うくらいなので、ビーズについてとりあげてみたいと思います。
日本はビーズの生産国でもあるので、スパンコールに比べるとかなり調達しやすい材料と言えると思う。ビーズの産地は広島県…とわりと知られていますね。
日本産のビーズは規格がしっかりしていて、色番も豊富なビーズの優等生。
一方で海外のビーズ(輸入ビーズ)というのもある。
ヨーロッパのヴィンテージのビーズを含め、海外と言っても様々なビーズがあると思いますが、ここではインドなどのアジア産のビーズを想定しています。
国産のビーズが大きなシェアを占めているため、材料として海外ビーズを見かける機会は少ないかもしれませんが、アジアン雑貨のお店などで使われているビーズとか、ザラなどのファストファッションの刺繍なんかにもよく使われているようです。
それらのビーズは不揃いで色番もなく、どういった規格で生産されているのかが未だにわかりません…仕事でビーズを発注する際には実物を添付して、似ているものをマーケットで探してもらうという感じで成立しています。
もちろん、勤め先には手作り感満載のサンプル帳があることはありますが…実物の色数が膨大すぎてそこにすべてを収めることなんてできないのだと思う。
冒頭の写真は日本のメーカーの海外用ビーズサンプル。残念なことに国産なのに国内では販売していないようです。
国産と輸入のビーズの見分け方は、一般的に市販されているものだと糸に通っているものが国産、バラのものが輸入という判断がわかりやすい。(国産でもKG単位だったりすると紐に通っていないものもありますが、個人で使う範囲だと紐に通っていることが多い)
見た目が整っていれば国産ビーズと、見た目で判断できなくもない気がします(;^_^A
国産ビーズのクオリティはやはり高いのです。
とはいえ、粒が揃っているから国産ビーズの方が良いということでもないと思う。
規格がしっかりしているということは、逆に融通がきかないということでもある。
もちろん同じ色を調達しやすく再現性があるというメリットは大きいですが、逆に色の幅が限られているので、輸入ビーズにあるような微妙な色の組み合わせができなかったりもします
それぞれの良さがあるので、用途によって使い分ければいいのかな…と思っています。
用途というのは、幾何学などの図案には、粒が揃っている国産ビーズ、散らして華やかにしたい時には輸入ビーズが向いている…みたいな感じです。
最近では日本産のビーズをインドでも調達しやすくなったようで、アトリエからやってくるビーズはどんどん形が揃ってきている気がしていて、不揃いすぎるビーズをあまり見かけなくなったように思う。
個人的には輸入ビーズの不揃い感が好みだったため、なんとなく残念。
おそらくまだマーケットには不揃いのビーズが普通に安価で売られていると思うのですが、日本向けに整った材料を揃えてくれている模様…
そういえば…昔、「スパンコールの穴が真ん中に空いていない」とブツクサ言っている人がいたな…
型抜きだったら絶対真ん中に穴が開くはずなので、逆に穴が真ん中に空いていないって…まさか手作業で穴あけてるの?むしろ、そっちの方がレアなのでは?(笑)なんて思っちゃいますが、そこでマジ切れする了見の狭さって日本人らしさなのかもしれません(-_-;)
「粒ぞろい」という響き…これまでの日本人像にシンクロする気がします。
やたら綺麗に揃ったものを好む国民性というか…それが良さでもあるし、そのおかげで整った環境で生活できているのも確か。
でもそろそろ「みんな違ってみんないい」という価値観を受け入れてもいい頃合いなんじゃないかと、不揃いのビーズを見て思うのでした。