刺繍の図案って大切だと思う件
ビーズ刺繍をする時、いかに揃えて綺麗に刺すかというのをまるで追求していない。
なので、一糸乱れぬ刺繍を目指す人がこの刺繍ブログを読んでも、ピンとこないだろうなと思う。
どうやったらいかにキレイに刺せるのか…というのは、私にとってはあくまでも二次的な問題のため、最優先事項ではないのです。
というのも…
単純に刺繍の仕事だと作業効率が最優先されるため、ギリギリ許されるところまで手数を端折り「綺麗」よりも「正確で早い」が求められることがほとんどで…
駆け出しの頃はそこの折り合いをつけることがなかなかできませんでした…
「綺麗に刺したい」というのは、自己満足でしかなかったりして、むしろそんなこだわりで仕事が滞ることも少なくなかった気がします。
それでも綺麗に刺しておきたい気持ちから、結局自宅に持ち帰り…自分が納得できる仕上がりを目指しているうちに、丁寧に刺しあげた刺繍でも、なんだか残念だな…と思うことが何度となくありました。
そして、何を良しとするのか?という問いを考えるに至り、結論からいうと、全体のバランスが一番大切だということになったのです。
バランスの良い刺繍というのを心がけるにあたり、意外にもキレイに揃っていることは絶対条件ではないな…と数多くの刺繍サンプルを見てなんとなく気付いたという感じです。
誤解を恐れずにいえば、バランスがとれていればキレイに揃っている必要はないということ。
いわゆる「ヘタウマ」といわれるケースはその典型なんだと思う。
バランスといっても感覚に個人差があるため、どんなのがバランスがいいのか…という点では、人によって見解の相違があるため表現が難しい。
定義づけるとしたら色や形、材料の組み合わせが調和しているってことだと思っています。
ちょっと厄介だなと思うのは、刺繍する前段階でバランスの善し悪しの6割以上が決ってしまう点。
つまり、図案の段階でバランスがよくなかったら刺繍する前にゲームオーバーってことです。
それくらい図案って大切なはずなのに、世の中的には刺繍といったら刺し方ばかりがフォーカスされている気がします。
図案とは線で書いた形だけでなく、着彩(色の組み合わせですね)も含まれているのがベスト。
図案が洗練されていれば自ずと刺繍も洗練される率が高くなる。
なので、何か作品を作るのであれば、まずは図案のチョイスを誤らないようにした方がいいと思う。
勤め先には図案を専門にするスタッフが居り、中小企業にしてはけっこう贅沢な人事だな〜と内心思っていました。
が、富裕層を対象にした商品に特別感を出すには版権フリーの図案を流用しただけでは難しいっていうことなんだな…と後々図案の重要性に気付いたんですけどね。
また、プライベートでは自力でなんとかバランスの良い図案を調達しなければなりません…(といっても、今までプライベートで刺繍することがあまりなかったため、これから〜という話になるのか…)
最近ではネット上のフリー素材の図案が豊富なので有り難い。
アナログだったらお菓子なんかの包装紙が刺繍の図案にピッタリだなと思う。
その辺のチャレンジもアップしていきたいなと思っています^^
まぁ図案が最高に良くてもその後の過程で微妙になることもあるため、気は抜けないのですが、最初のハードルは刺繍の前にあるってことですかね。
もちろん、刺繍が整っているに越した事はないし、材料が整然と揃っていると気持ちがよいのも確かというのも付加えておきます。
ただ最優先にしていないってだけです。
どの程度意識して整えるか…というと、ビーズ刺繍の場合だと「材料がぶつかり合わないように刺されていること」がマストだと思う。
バッチリ材料が整列していなくても、材料がぶつかり合う事なく収まっているという状態が作れれば、それで十分綺麗にみえるはずなのです。