スパンコールって…刺繍材料の中では入手困難なのです。

スパンコールってギラギラしたステージ衣装とか…あまり品のよくない非日常のイメージがあるのではないかと思う。

そして、洗練されたモードなイメージからは程遠い印象をもたれているのが、残念でなりません。

ビーズ刺繍では、スパンコールはビーズと並んで主要材料の1つで、色、質感、形、そして大きさが様々。

使いこなすと刺繍の表現の幅がかなり広くなるのですが…

おそらく日本で市販されているスパンコールはメタリックカラーの6mm亀甲型が主流で、他のバリエーションが知られていないせいかもしれません。

メタリックではないけど亀甲型スパンコール

売られていないというのは単純に需要がないからか…と思うと、以前、香港で長年アパレル資材の調達をされている取引先の女性と話したことを思い出します…

香港在住のその方によると、香港でも亀甲型スパンコール以外はなかなか調達が難しいそうで、方々探してもビーズやメタルパーツは豊富に手に入るのにスパンコールだけは全然種類がないということでした。

その理由がズバリ(需要があまりないから)商売にならないため、どこも仕入れたがらないってことだそうです。

確かに…私も習うまでは、スパンコールの使い方を全然知りませんでした。

しかも、スパンコールの種類すらわかりませんでした。

スパンコールの種類についてちょっと触れておくと…

刺繍でよく使う丸型のスパンコールは、

  • 形:フラット型、亀甲型、カップ形の3種類
  • 大きさ:3mm~6mm、
    ※ここ最近は2.5mmもよく見かけるようになりました。もちろん10~15mmの特大スパンもありますが、使用頻度が低いので6mmあたりまでが妥当かな…という判断。
  • 質感:ツヤ、マット、透明、半透明、オーロラ入り…などイロイロある

さらに変形(花形やトップホール、四角形)など合わせるとかなりの種類になるので、ここではベーシックなものに限定してあげていますが、それでも形、大きさ、質感の組み合わせは膨大になります。

(手持ちのスパンコールは種類が多すぎるのでパッチン袋で管理。これはほんの一部)

そして、いわゆる標準サイズは4mmかなと思います。形だったら亀甲ではなくフラット形が基本かな。

冒頭の刺繍写真は4mmのフラット形スパンコールがふんだんに使用されていますね。

4mmよりも大きいとか、小さいとかで他のサイズを捉えることが多いのですが、最近は3mmの出番が多くなった気がしています。逆に5mmや6mmを使う機会が結構少ない。

スパンコールを一目見たときにサイズ感がわかるというのが経験値の目安になるのではないかと思う。

気がついたらいちいち確認しなくても何ミリなのか分かるようになっていた…みたいな感じです。

あまり使わない5mmと6mmだと…どっちだったかな…とちょっと判断に迷ったりしますが…。

とはいえ、直径が1mm違うだけで見た目の大きさはだいぶ変わります。

とりあえずスパンコールを選ぶ時には4mmを基準にしておくと使い回しやすいのではないかと思う。

個人的には3mmも使いやすいと思うのですが、スパンコールが小さいくなればなるほど手数がかかるということでもあるので…いろいろなケースを想定するとやはり4mmが無難なのかもしれませんね。

スパンコールの総刺繍で面が刺しうめられていたりする場合は4mmフラット形のことが多いと思います。

そして、ほとんど見かけることがないのが、カップ形スパンコール。

(手前3~4mmと右奥5mmがカップ形スパンコール)

見慣れないため、使い方も知られていませんが、既に形に傾斜があるため立体感を出すにはとても便利な材料なんです。

同じスパンコールでもフラット形とカップ形は全然違った見え方をするので、違う形同士を組み合わせることでより複雑な刺繍に見せることもできたりします。

あまり知られていなさすぎるため、カップ形を生かした小花の刺繍を、次記事にてご紹介したいと思います。→こちらの記事にて

そして、スパンコールの調達方法なのですが…ネットで海外から取り寄せる…ということになると思う。

私自身は、勤め先経由で調達に苦労したことはない…というか、

プライベートでたくさん使う機会があまりなく、仕事で余ったものを流用していたため、これからリサーチをするつもりなのですが…

数年前、興味本位で個人的にネットで海外からスパンコールを取り寄せたことがあります。

当時は2.5mmのスパンコールがめずらしく、3ドル弱で50g買ってみたのですが、個人で使用するには多すぎ…という感想。

(これは…なかなか使いきれない量です。)

1種類が3ドルってかなりリーズナブルですが、種類を揃えておくとなると…まとまった金額になるし、なにより全体量が多くなるので、その物の値段よりも保管のコストが高くつくのでは…と思ってしまいます。

なので、輸入して小売りをしているやや割高のスパンコールをネットで探すというのが無難なのかもしれません。選べる種類が限られてしまいますが…

逆に総スパンコールのバッグとか、背面を刺しうめるため大量に使用する場合には送料がかかっても海外からの取り寄せがリーズナブルかつ豊富な種類から選ぶことができるのでおススメ。

とにかくスパンコールを使いこなす前に調達する段階で高いハードルがあるのです…

普及しないのも無理ないですね。

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