ビーズ刺繍習得についての続き。マスターするための効率的な方法。

どこまで習得したら刺繍をマスターしたと言えるのか…習得の基準となる目安がないので難しいところではありますが…

この先も刺繍についての考察は人生が終わるまでか…または飽きるまで、螺旋階段みたいに続いていく気がするので、また見解が変わったりするのかもしれません…

とりあえず刺繍の仕事を請け負える段階までやってこれたので、これまでの経過を振りかえりながら刺繍をマスターするための効率が良いと思う方法について述べてみたいと思います。

「刺繍を習得する」とは、「刺し方を覚える」でほぼ完了すると思われがちですが、「知っている」のと「使いこなせる」は別なものなので、応用できるところまでが習得の範囲と考えたいところ。

「刺し方を覚える」と「材料とテクニックの組み合わせを覚えながら使いこなす」の2つのフェーズで捉えるのが良いとコチラの記事で語っているのですが、今回はその続き。

「刺し方」自体は、与えられた課題をこなして覚えるというのが、効率がよく習得が早いように思いますが、「刺し方」を覚えた後は、与えられたものだけではなかなか幅が広がらないと思う。

私の場合は、仕事を通して「反復」と「応用」ができ、ある程度の経験値を上げれたのは恵まれていました。

とはいえ、やはり与えられた仕事をこなすだけでは経験や知識が偏ってしまうので、そこそこで落ち着いてしまう気がしました。
実際に刺繍をする仕事の割合は全体の1/3にも満たない程度ということもあり、十分な経験値を上げるには自習が不可欠だったと思う。
今現在は「刺す仕事」と「事務仕事」が半々くらいの割合になっていますが、そうなれたのも独自に刺繍の経験値を上げた結果なのかもしれないと勝手に思っている。

自主的にやった中で功を奏したのが、勤め先の刺繍サンプルのミニチュア版を自分用に作るという作業。

⇩これ達

入社したての頃から数年間、コツコツ作っていたのですが…当時は刺繍の経験値を上げるため…というよりは、自分を慰めるためでした…^^;

念願かなって入社した会社でしたが、かなりの激務で(;^_^A…
深夜まで働いた後、大きなスタンドいっぱいに架けられている刺繍サンプルを一枚一枚眺めて「刺繍って癒されるな~」と折れる寸前の自分を立て直してから家に帰る…という日々の中、「この刺繍サンプルが家にもあったら素敵なことになるに違いない!」と思い立ったのが始まり。

もともとのサンプルはA4サイズくらいの大きさがほとんどでしたが、自分用はA5サイズ程度の範囲にし、それでも1枚仕上げるのに1か月は余裕でかかるため最終的にはかなり小さいものになっていきました(笑)

サイズを統一すれば良かった…と今更ですが(;^_^A

何枚も作り続けているうちに経験値が群っとあがったように思う。

ポイントは、実物を見ながら真似ることができたということ。

経験値を上げるために刺繍キットをいくつも作ったり、刺繍本に載っている作品を再現してみたりするというのもあると思いますが、手元に見本があってソックリ真似るというのは、発見が多く大きな学びがあったように思う。

その時点の自分のスキルでは見本と同じになっていない…けど、何度か試しているうちに出来るようになったというケースを繰り返していくうちに上達している手応えが得られたって感じでしょうか。

実物を見ながら模写するという作業で刺繍の引き出しが増えていく気がしたのです。

写真やカラーコピーなどの画像を元に刺繍をするとなると、どうしても高さ分や密度は想像するしかありませんが、実はその辺が印象を左右する大切な部分でもある。

もちろん、刺繍に正解なんてものはないので、仕上がりがまとまっていればよいとは思うのですが、覚えたての時期には完成した見本があることで迷いがなくなり、わりと早く刺繍の考え方が身についていく気がするのです。

私の場合は勤め先に大量の刺繍サンプルがあったので、題材には事欠きませんでしたが、そういった環境にない場合には刺繍の商品を購入して見本にするという感じでしょうか。

例えば、アンティーク小物にはビーズ刺繍のものが多く、トレンドの刺繍であればファストファッションの服などが参考になります。

刺繍サンプルづくりをし始めた頃、友人が買ったばかりのジャマンピュエッシュのバッグを「珍しい刺繍のテクニックを使っているから」とわざわざ貸してくれたことがありました。※ジャマンピュエッシュについてはコチラの記事参照

その時に作ったスワッチとバッグのカラーコピーが⇩

ベルベットのリボンを手繰り寄せながらアリワークで止めています。その間にスパンコールの連続刺しが入っていて、高低差がはっきりとした凹凸のある刺繍です。写真だとあまりわからないかもですが…

実物があったので、本物ソックリに再現出来ましたが、カラーコピーだけだったら難しかっただろうなと思いました。

ソックリ真似るといっても、同じ材料を集めるのはハードルが高く感じるかもしれませんが、色が違っていても演習には差し支えないと思えば、かき集められなくない気がします。

できる範囲で「自分が好きな刺繍を実物を見ながら似せて作る」というのが、上達への足掛かりになるのは間違いなくおススメなのです^^

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