パシュミナのほつれをアリワークで補修
先日、友人からお気に入りのパシュミナストールがほつれてきたのでどうにかなるまいか?という相談がありました。
とりあえず見せてもらうと、大判の薄手のパシュミナでアンティークと思われるジャガードのリボンが手まつりされた素敵なストールでした。
数年前にインド出張の際に現地で購入したとのこと。
インド製というとチープで雑なイメージをもたれている感がありますが、実は技術力の高い繊細かつ品の良いものづくりができる国でもあるのです。
それをこのストールが物語っているな…とまずは思う。
さらにこれを見つけた友人がお洒落の達人というのもある。
ストール自体が手織り。ネームが刺繍されていました。
ダブルネームだから織った人が2人なのか…織りと刺繍で2人なのかはわかりませんが、ネームが入っている時点で人の手で丁寧に作られたということですね。
しかも手織りの薄手パシュミナは、よくみかける厚手のパシュミナよりも軽くて暖かく格上なこともあまり知られていないように思う。
ジャガードのリボンを丁寧に手まつりした後にリボンの両サイドと縁に細かい刺繍を刺し足してありました。
このストールが商品になるまでかなりの手数がかかっているようです。
ほつれているのはストール本体ではなく、まつられたリボンの方でした。
リボンがおそらくアンティーク…すくなくともヴィンテージと思われる…ストールよりもだいぶ経年劣化がみられています…
生地がところどころ裂けてきていました。
大丈夫なところをみると、もともとはしっかりした厚みのあるジャガードのようなのでかなりの経年変化をとげて今に至っているように感じられます。
友人からは、このまま使うともっと裂けてきてしまうので適当にまつってほしいということだったのですが、いざ始めてみると弱っているところは針を落とすだけでちぎれてしまうくらい劣化がはげしいこと判明…
試行錯誤の末、結局、針先の小さいカギ針を使い、細かいチェーンステッチで押さえ止めるのが良さそうという結論になりました。
レーヨンの刺繍糸は土台になじむようリボンのベースカラーに近いベージュを選び1本どりで。
柄の上にもステッチをかけていきますが、「パニ」と呼ばれる水面をイメージした蛇行ライン状に刺繍していきます。
不思議と土台の柄に馴染んだように思う。
「パニ」はインドの伝統的な図柄で、衣装からインテリア雑貨までいろいろなところで目にするのですが、よく使われる意味がなんとなくわかりました。
ベースを埋めるのに自然に仕上がる効果があることを今回、ナルホドと思ったのです。
大判のストールは幅が1メートルもあったので、それを2本。
けっこう時間がかかりましたが、またしばらく使えるようになったかなと思います^^