ようこそ。

こんにちは。

ブログ管理人 二三(FuMi)と申します。

まずは、私と刺繍につきまして綴っておきます。

服飾関係の会社に勤め、刺繍関連の仕事で20年が過ぎているわりには、プライベートな刺繍作品がほとんどない生粋のサラリーマン。

冒頭の写真は友人のウェルカムボードを作ったときの刺繍。

数少ない仕事とは関係のない刺繍なんですが…

元同僚の依頼なので、ある意味会社繋がりではあるのか…?

新婦本人の希望が「白を基調としたストライクなウエディング刺繍ではなく…」とのことだったので、それっぽさはないのですが、彼女の雰囲気に合いそうな色味と気に入りそうな図案にしてみました。

ズームアップするとこんな感じ。
この刺繍はカギ針を使用するアリワークで刺しています。

純粋に自分のものとして刺繍することってほとんどなかったかもしれません。

それでも帰宅してから針を持たない日はほとんどなかったように思う。
そして、それは今でも変わらず…な毎日を繰り返しています。

別に会社から強制されているわけでもなく、なんでも試したり確かめたりしたくなり自主的に仕事の刺繍を自宅でしている状態をずーっと数十年続けてきました…

というと旧世代的で昭和な感じですが、苦にならないどころかワリと好き勝手に材料を使えることに満足しているのかもしれません。(基本ドMなのです…)

私の勤め先はもともとオートクチュールのドレスの刺繍を専門にしている小さな会社。

日本では芸能人や晩餐会みたいな機会があるごく少数のアッパークラスの人達を除くとドレスの刺繍の需要はほとんどないことから、
刺繍のストールやバッグ、ブローチなどのいわゆる婦人服飾雑貨が主力商品となっています。

刺繍はほぼ海外(インド)のアトリエで生産していてすべて手刺繍。

実際に日本で刺繍商品を刺して売るのはコスト的に難しく、就業時間内に刺繍の作業をするのは相当急ぎの時とかちょっとしたサンプルを作る時くらい。

通常はパソコンで図案をトレースしたり、在庫を管理したりみたいな刺繍以外の仕事がほとんどなのは人件費を考えるとやむおえない日本の事情ですかね。

なので刺繍は主に自宅でコツコツと習得した感じですが、あふれるほどの刺繍サンプルを見ながら模作する機会に恵れました。

学校で習うのとは違った現場の刺繍を知り、実際に刺せるようになったことは、私の中で「生まれてきた甲斐があったーっ♪」と思える一番のことかもしれないな〜と常常思っています。

また、扱う材料の多彩さも知ることができました。

ドレス用の刺繍は主にビーズやスパンコールをメインに糸刺繍やクリスタル、金属のパーツなど様々な材料を組み合わせて豪華に仕上げるものが多く、ビーズ刺繍とわかりやすく謳ってみましたが、実際はビーズだけではありません。

あまり知られていない刺繍材料についても語っていこうと思っています。

そして、このブログで提案する刺繍はインド刺繍がベースになっています。

マハラジャの国、インドでは豪華な刺繍の需要があったことから、遥か昔から培われている技術なんだそうです。

民族系の刺繍が発祥ではあるけれども、私が目指す刺繍は工芸品ではなくあくまでもファッションとしての刺繍。

刺繍といえばフランス刺繍とか日本刺繍とか、その中でもいろんな流派の刺繍教室があったりするけれど、それらの手工芸としての刺繍とはちょっと毛色が違うつもり。

刺繍ありきというよりは、ファッションの一部という位置づけを心地よく感じています。

一応、世間では「ビーズ刺繍」とか「オートクチュール刺繍」と呼ばれているけど、いろんな刺繍テクニックを盛込んだモードな多国籍刺繍といったところ。

↓これはもともと仕事での刺繍を色味や材料をアレンジして自分用の資料として刺したもの

糸で止めつけられればなんでも材料になってしまう自由度の高い刺繍が、私的には気に入っているのですが、意外に世間にはあまり知られていないのがちょっと残念。

とはいえ、今の会社に勤め始めた20年ほど前には、ビーズやスパンコールの刺繍といえばステージ衣装とかウエディングとかの晴れ着に施されるみたいな非日常なイメージが強くて、あまり日本社会には浸透していませんでした…

今はキラキラのオシャレ着はそうめずらしくなくなったようにも思う。

それでも、実際に自社製品やプライベートで作った刺繍のバッグなどを持ち歩いていると驚かれることが多いのも事実で、まだまだ認知度は低いと感じでしまいます。

今まで経験した知識の備忘録、そして、少しでもファッションをベースにした刺繍の裾野が広くなってほしいな〜という気持ちからビーズ刺繍について綴っておこうと思い立った次第。

これを機に仕事とは別な刺繍の世界を広げられますように!

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